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【ファミコン探偵倶楽部-消えた後継者-】受け継がれたものとは

【あらすじ】
崖から落ちた衝撃で、記憶を失った主人公。直前まで調査していたのは、ある村の名家で当主が突然死した件についてだった。
村に伝わる死人蘇り伝説と一族の因習、そして失われた主人公の記憶。新たな殺人事件をきっかけに謎を追う話。


【感想】
初代版が発売されたのはなんと1988年、今から約40年前。それがリメイクされ、しかもこれから新作も出るというからすごい話です。

とはいえタイトルとあらすじから容易に想像できてしまう展開。記憶喪失の主人公と「消えた後継者」ときたら、それはもう主人公が後継者なのでは…...?
はい解散! となりかけましたが、40年を経てリメイクされるのだからそんな単純な話ではないはず。何がそんなにプレイヤーを惹きつけるのか、プレイ後になお残るものとは何か、そもそも本当に主人公が「消えた後継者」なのか。それらを確かめたくてプレイしました。

まず、主人公を含めキャラクターひとり一人がとても魅力的です。個性豊かですし、画面に出ていると呼吸で肩が微妙に動いている。リアルな息遣いに、まるで自分がその場にいるかのような錯覚を受けました。
ストーリーは、分岐はなく一本道。クリアまで10時間ほどでしょうか。室内を調べたり聞き込みをしたりといった調査パートはあるものの、取りこぼしがあると先へ進めない安心設計。推理らしい推理も特になく、とっつきやすい仕様になっていると思います。

推理もなく、話も一本道でけっして複雑とは言えません。しかし話が進むテンポやキャラ同士の掛け合い、謎の深まり方などが絶妙で、後半にいけばいくほど世界観にどっぷりはまっていきます。
またお話がとてもよい。正直、どう展開していくのだろう……という不安はややありました。ただ最後までクリアしてみると、タイトルの奥深さに驚かされます。
いったい誰が「消えた」のか、「後継者」とは誰か、そして誰が・何を受け継ぐのか。
記憶・思い出・つながり・引き継がれるもの・出来事の意味付けなど、いろんなものの重なりと対比に考えさせられました。
エンディングを迎えたあとの余韻がすさまじいです。上から目線で恐縮ですけど、これはたしかに数十年後もリメイクされる……と感服しました。

2作目「うしろに立つ少女」もプレイしたいです。さらに最新作「笑み男」は8月20日から体験版が配信されるそうですね。めでたい!
「笑み男」はティザーPVを観てめちゃくちゃ気になってるので、2作目が終わったら可及的すみやかに取り組みたいところ。
「うしろに~」は今作より過去の話にあたると聞いています。ただ「笑み男」はどうなのでしょう。ただ今、絶賛・情報遮断中なのでまったく何もわかりません。主人公が誰なのかも気になります。あらすじだけでも調べようか……。

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